消費社会の神話と構造 普及版

2nd 9月, 2010 - Posted by admin - コメントは受け付けていません。

本日は1995-02に発売された消費社会の神話と構造 普及版について紹介。

今の僕が求めていた素晴らしい本です。

本の表紙はこんなイメージ。。

それでは、レビューの紹介です。
参考にしてください。



僕がこんなことを言ったらあの娘、どんな顔をするだろう
「豊かさの中で生きることのむづかしさだけをとっても、

安楽な生活への「当然の欲求」なるものがそれ程当然でも自然でもない。」

ということがどういうことなのか、著者なりの見解です。

バイト柄、高校生と触れ合う機会が多いのですが、

無気力という精神のストライキや、マスメディアという神話更新製造機関についての

記述などは、自分に当てはめてみても迫真の事柄であるように思います。

多少難解な部分はありますが、この中で描かれている消費社会は

恐らく大多数の人が違和感として薄々感じていることではないでしょうか。

けれどそれにもかかわらず、これら多くの人々がそれぞれ株主として

社会を成り立たせるまさにその役割を積極的に担っているということも、

また事実・・・私も含めて・・・

「大体が・・・人間に必要なものはなにやら正常で、しかも

道徳的な恣欲であるなどという結論をどこからひっぱりだしてきたのだろう。」

ドストエフスキーの言葉を思い出します。



未だなかなか見ない消費社会論
 しばしば要約されるレビューより異なる点から書きたいと思います。

 ソシュールの記号論とレヴィ=ストロースの構造論を消費社会論に組み込んでいる点は他の書評者の紹介にある通りで、当時としては新しい点だったのかもしれません。しかしもう一つ、私たちにとって身近でかつ重要と思われるポイントがあります。

 資本主義社会のなかで、現在でも経済における労働、生産は有用性、必要性、合理性から説明されます。しかしボードリヤールはこの著書の中で、経済システムを維持する上で生産活動とは切っても切り離せない「消費」に着目を置いて、私たちの消費活動が有用性、必要性、合理性といった観点ではとても説明できないということを書いているのです。例えば、今いる部屋の中にあるモノを改めて見回してみて下さい。それらは私たちの労働の産物でもあるわけです。

 というのは、…いわば経済を「有用性」の視点からではなく、「過剰」の観点から分析するこの眼差しはバタイユに由来します。「豪奢な物は、それを作る労働の有用性というものをそもそもの初めから奪い去っているので、この労働をすでに破壊しているのである。その労働をいわば空しい栄光のために濫費してしまっているのであり、まさにそのときこの労働を決定的に無駄にしているのである」(バタイユ『宗教の理論』pp63-64)

 ボードリヤールの調子は非常に皮肉で、対案に当たるようなものがなく、その意味では非常に理想主義的といえます。しかし主張しようとしていることは、現在でも誰もが考えるべきことと言って過言はないのではないでしょうか。



欲望と差異を生み出す装置
消費社会では、モノは使用価値ではなく、他人との差異を表す「記号」となる。

そして、その差異のメカニズムは欲望を生み出し、果てしなく続いていく。

そして、消費社会への批判もまた、消費社会へとからめ取られて、その神話を強化していく。

ずいぶんと前の本ですが、未だに色あせた感じがしません。

現在を見透かされている感じです。

本書を読むだけの時間がない人は、似たような内容の、佐伯啓思「「欲望」と資本主義」を読んでみてください。新書なのですぐに読めます。



消費社会論の古典
 本書は、しばしば「消費社会」と呼ばれる現代社会における消費という行為の持つ様々な意味を社会学的に追求し、消費者はモノをその使用価値や交換価値だけで消費しているのではないと結論付ける。著者が重視する「記号としての消費」とは、すなわち消費社会における個人は、民族性やナショナリズムではなく、多種多様な商品の中から任意の商品を選択することを通してアイデンティティーを確立していくということ。つまり商品を選択的に消費することによって、社会の中で自己が所属する、あるいは所属すべき階層・集団を確認し、そうすることによって自分を他者と区別し、自己の優越性・経済力・所属する・すべき階層等を暗黙のうちにアピールするということだ。そして社会の成員がこのように、集団的・制度的に行なう消費を通して結び付いているように見えることを指して消費社会と呼ぶのだ。

 消費社会論の旗手として有名な著者の名前は学生時代から知っていた。今回実際に読んでみて、フランス人らしいシニカルな文体に多少読みづらさを感じたが、消費という行為が担っている通常とは別の意味について深く考察されている点はさすがだと思った。またよく言われる、一般消費者はマスメディアに踊らされているに過ぎないという言葉について考える契機にもなった。著者も述べているように、個々の消費者が消費という行為の社会的意味に無自覚でいる限り「お客様は神様です」というキャッチフレーズに象徴される、欺瞞的な世論によってほめたたえられ、名目だけの主権者に祭り上げられてしまうばかりだ。今後も消費社会に関する文献を読んでいきたい。



追悼……
いわゆるバブル時の広告代理店のへ理屈に引用されて、正当な評価を得られずに消費された一冊です。今、読んでみてください。“おいしい生活”の会社は問題だらけでしたね。踊った消費者もよくなかったのでは?

ご購入を検討の方はこちらからどうぞ。

今日も非常に良い勉強が出来ました。

次回の紹介もご期待ください。

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