ランチェスター思考 2 ―直観的「問題解決」のフレームワーク

30th 8月, 2010 - Posted by admin - コメントは受け付けていません。

本日は2010-07-16に発売されたランチェスター思考 2 ―直観的「問題解決」のフレームワークについて紹介。

なかなか考えさせる本です。

本の表紙はこんなイメージ。。

それでは、レビューの紹介です。
参考にしてください。



軍事戦略から経営を学ぶ好著
リーマンショック後の日本経済、特に地域経済の低迷は深刻である。帰省の道すがら長野県の松本から安房峠を通って飛騨高山まで抜けたが、長野県側の乗鞍高原やその周りのペンション群は特に疲弊していた。

ペンション経営者にとって、少子高齢化でブームも去った宿泊需要を獲得して生き残るのは並大抵ではない。敵地深く進入した小規模部隊が撤退戦を戦うような厳しさがある。

こんなときに、手にしたランチェスター思考Uは、軍事戦略、戦術の経営への適用を様々な具体例も用いながら論じており、他の経営書にない新鮮さを持っていた。乗鞍のペンションオーナーに参考にしてもらいたい話もいくつもあった。

さて、地銀の経営について、著者にアドバイスをしてもらいたいことがある。貸出先が構造不況業種のペンション群であったら、どのような不良債権対策を採るのがベストであろうか?自前で貸付先の経営改善に向けて真摯な努力をして地域経済を支えながら収益改善を図る茨の道を進むべきか?きめ細かな貸付先指導など諦めて、不良債権は一気にライトオフして必要なら公的資金の注入を求めるか?先行きは見えなくても個人保証、連帯保証を頼りに債務者責任を追及ながら双方の消耗戦を続けていくか?

私は、銀行の体力が許すのであれば、モラルハザードを防止しつつ、個別の債権カットにも応じて、債務者とともに地域経済の改善に努力する地銀がもっと現れて欲しいと願うものであるが。


論理的
前著、ランチェスター思考Tが、ランチェスターの法則を基にわが国で開発された、ランチェスター戦略(セールス・マーケティング戦略)の入門・解説書であったのに対し、本編はアメリカ陸軍の指揮官マニュアル(FM-6.0 )をベースにした、経営戦略・戦術の教導書である。おそらくわが国では初の試みであろう。筆者が軍事(自衛隊)に深い関心を持ち、しばしばその教育に招かれるほどであることと無縁ではない。

わが国の意思決定は政治であれ、軍事であれ、経営であれ、果敢な決断よりは合意形成に力点を置く傾向が強い。最近のように経営環境がめまぐるしく変わる時代、これではタイムリーな手が打てない。また合意形成は必ずしも論理的ではない。そこで喧伝されているのがロジカル・シンキングである。MBAはいわばそのホームグランドと言ってもいい。しかし、このロジカル・シンキングは実務推進に際して、“机上の空論”化しやすいところがある。

米陸軍の指揮官マニュアルを援用しながら、著者が訴えようとしていることは、過度なロジカル・シンキングをあらため、経験とそれによって培われる感性で、直感的・即応的な経営判断を行おう、と言うことである。

前作同様経営学泰斗の一言や、経営上の経験談(特に失敗談)、軍事作戦上の事例などを随所に挟み、飽きることなく最後まで読ませる。また、日ごろ忙しい経営者・管理者に読みやすい形式で記述されていることも、即戦的な経営指南書と言える。



米軍の意思決定法をビジネス向けに紹介
米軍の指揮官マニュアルを中心に、

軍事的な意思決定方法をビジネスにどう生かすかについて

紹介していく内容。

「OODAループ意思決定論」など

ビジネスに活かす!最新・米軍式意思決定の技術と重なる部分も多いが、

著者がビジネスにより近い立場のためかこちらの方が

より実践的な印象を受ける。

特に軍隊組織との前提条件の違い(相手の物理的に破壊することは不可能なため、

奇襲後の反撃を受ける危険が高いことなど)について

きちんと注意がある点は、特に本書の価値なのではないか。

人類の最古の組織の一つであろう軍隊で

試行錯誤を繰り返して来たノウハウについて、

紹介したり応用を試みる書籍が不思議なほど少ない現状では

非常に参考になるオススメ一冊である。

ただ、著者もあとがきで述べているが

前提条件が異なる軍隊でのノウハウをそのまま企業に

当てはめるのは困難が生ずるため、

誤用を防ぐために違いを整理する章を設けても良かったのでは

と個人的には思った。



完璧はありえない。だからこそスピード大事にしえ行動せよ
一言:仕事は戦争だ!

*********【ビジネス本コンシェルジュ・石川の視点】***********

ランチェスター思考1とは内容はまったく異なります。

前回はランチェスター思考そのものの紹介でしたが、

今回はアメリカ陸軍の考え方をどうビジネスに活かすか

に重点が置かれていました。

サバイバル全書にも同じようなことが書かれていますが、

仕事に置き換えがスムーズで、とても役立ちます。

戦争はそれだけ緊迫している、かつ勝つことが大前提だから

なのかもしれません。

その意味で、今回の本は現実にどう活かすかを

考え抜かれた、シンプルな内容です。

■完璧はありえない

数学の論理学でも同様のことが言えます。

ゲーデルの不完全性定理です。

論理的に完璧な世界が存在する仮定すると、

論理的に完璧ではない世界が存在する。

完璧ではないかこの世界での面白さがわかるのです。

数学が論理的に完璧で出来上がった世界なら、

未解決問題は生じ得ないし、

数学家の楽しみがなくなります。

だからこそ、仕事も同じで、完璧を求めず

6割ぐらい見てよさそうならスピード感をもって

進んでいくのがよいのでしょう。

************************************************************

ここでは書ききれないくらい、濃厚な

仕事の考え、考えないといけない点が

たくさんありました。

失敗したほうがいいものができますが、

大きなリスクを犯しすぎると

いくら失敗が良くても身をほろぼします。

数学では二項排反が双方なりたちませんが、

現実では成り立ち、バランスよくが求められます。

うまく立ち振る舞えるよう、今日もがんばります。



経営書として今年最大の収穫!
経営書の中で、今年最大の収穫の書であろう。「ランチェスター思考II」をメイン・タイトルとしているのは、前著からの流れから。本書の中心と白眉は、「アメリカ陸軍の指揮官マニュアル」を本格的に紹介し、それを経営現場での意思決定に引きつけて論じていることだ。

経営学の分野で、これだけの新しい概念や経営技法がまとまって提出されたことは近年記憶にない。それも世界屈指の組織が長年かけて膨大な努力により磨き上げ、洗練させた、いわば「経営学の外部で徹底的に体系化された方法論」が咀嚼され、提示された。その咀嚼と適応は、経営学の教授であり同時に自衛隊幹部学校での指導にも当たっている、この著者でなければ可能とならない作業だっただろう。

本書により、「本当の軍事」側から「経営」側に提示された新概念、あるいは現概念の訂正を迫っている点が幾つもある。少数を例示するだけで次の如くである。

1.「意思決定」には、許された時間枠により、直観的決定と分析的決定が選択される。

2.「決定は間違って当たり前」という前提。

3.情報はすべて誤っている可能性があるが、責任は意思決定者に残る。

4.広的ネットワークは、質が伴わなければ混乱するだけ。

5.部下の忍耐力を見極め、能力に合った任務を与えよ。

6.意思決定には三つのレベル、「戦術」「作戦」「戦略」レベルが存する。「作戦」レベルの概念は今までの経営学では無かった。

7.「集団的浅慮」概念の明確化と、それが起こり得る状況。

など。

これらの捉え方や対応を、アメリカ陸軍は、「指揮官マニュアル」として長い年月と組織をあげての英知を傾けて整備してきた。文字通り「生きるか死ぬか」の結果に繋がる、世界最大規模で最も進んでいると思われ軍事組織が作り上げたマニュアルである。刮目して読むべき書だ。


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今日も非常に良い勉強が出来ました。

次回の紹介もご期待ください。

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